1.5℃目標は実現可能か? 1.5℃目標に整合するネットゼロGHG排出への道すじ
タイトル : 1.5℃目標は実現可能か? 1.5℃目標に整合するネットゼロGHG排出への道すじ
日時: 2016年11月5日 15:15-16:30
会場: COP22日本パビリオン
主催: 公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES)、LCS-RNet
概要:
パリ協定は、2℃目標ですら非常に野心的であるところ、温度上昇を産業革命以前のレベルから1.5℃に抑える努力を追求するとしている。1.5℃目標が実現可能か否かを議論するにあたり、この目標を達成するための技術や社会条件の検証が不可欠である。
パリ協定はまた、衡平性の観点から、また、持続可能な発展や貧困撲滅の努力という観点から、今世紀後半に温室効果ガスの排出源からの人為的な排出と吸収源による吸収をバランスすべきとしている。このサイドイベントは、世界レベル、及び国レベルの双方での1.5℃目標に向けた道すじにおけるネットゼロGHG排出の可能性を議論することを企図している。また、1.5℃目標に整合するネットゼロGHG排出の道すじに関する共同出版のキックオフを兼ねて開催するものである。
セッションサマリー:
サイドイベント「1.5℃は実現可能か?1.5℃目標に整合するネットゼロ排出への道すじ」において、基調講演者・パネリストは、それぞれの専門・経験から、1.5℃目標の達成は容易ではないとしながらも、将来のイノベーションを頼みにするのではなく、グリーン成長、ファイナンス、国際協力、行動様式の変化、社会構造の変化など、今から変革に向けてできることを進めていくべきであること、また、将来世代への教育が不可欠であることを指摘した。
また、一連の発表の後に第三作業部会の共同議長がコメントし、では「1.5℃目標」とは明言しておらず、実現可能か否か、という問いかけについては「極めて野心的である」と述べるに留めたいとしながらも、極めて大きな挑戦ではあるが、その方向を目指していくことはサイエンスの観点から妥当であると述べた。また、今までエネルギー起源のが大きく取り上げられてきたが、これからは森林や土地利用など、吸収源の議論がもっと取り上げられるべきと述べた。
最後に、本セッションのチェアで、同じく第三作業部会の共同議長が総括を行い、今がまさにネットゼロGHG排出の道すじに乗れるか乗れないかの最後のチャンスであり、これに向けて各アクターによる行動の一層の喚起が重要であると述べた。また、の1.5℃の特別レポートに向け、様々な関係者の協力を要請した。
プログラム:
15:15-15:35 基調講演1 甲斐沼 美紀子, 地球環境戦略研究機関(IGES) (日本)
15:35-15:55 基調講演 2 Jean-Charles Hourcade, CIRED (フランス)
15:55-16:25 パネルディスカッション 議長: P. R. Shukla, IPCC第三作業部会 共同議長(インド)
パネリスト:
– Sergio La Motta, ENEA (イタリア)
– Thomas Fink, ヴッパタール研究所 (WI)(ドイツ)
– Chau Loon Wai, マレーシア工科大学 (UTM)(マレーシア)
– 増井 利彦 国立環境研究所(NIES)(日本) (スカイプにて参加)
16:25-16:30 総括
関連リンク:http://www.oecc.or.jp/cop22-jp/event/detail/15/04.html